性格は私たちにとって便利な道具の１つだ。人の本質は性格を越えたところにある。　～麗生🖤

《私たちの多くは、性格と自分を一体化している。自分の性格こそが自分と考え、意識のほとんどを性格に支配される。しかし、性格は私たちにとって便利な道具の１つに過ぎない。私たちの本質は性格を越えたところにあるにも関わらず、性格と自分を一体化し過ぎると、自分自身の本質に気付きにくくなる。》

●能ある鷹は爪を隠す（のうあるたかはつめをかくす）

ということわざは格好いいと思う。

●大賢は愚なるが如し（だいけんはぐなるがごとし）
●鳴かない猫は鼠捕る（なかないねこはねずみとる）

この２つもいい。

本当に才能や実力のある人は、軽々しくそれを見せつけたり誇示するようなことはしない、と言う意味だ。

逆に、本当の能力もないのに、ただ自己主張ばかりする人のことを言うことわざもある。

■能無し犬の高吠え（のうなしいぬのたかぼえ）
■空き樽は音が高い（あきだるはおとがたかい）
■能なしの口たたき（のうなしのくちたたき）

能力が無い者は、おしゃべりで騒ぐばかりで実力はないという意味なのだが、格好悪い。こんな風にはなりたくないと心底思う。

大人になると知識も増えて、いくつかのことわざを覚えて意味を知る。

知恵もつくから、自分と出会う個性的な人をことわざに当てはめて表現してみたり、その人の性格をただ単純に○○な人だ、△△のようだ、と表現してみたりする。
そして、｢あの人はこういう性格だ｣とその人を｢性格｣の枠に当てはめて分類したりする。

職業適性や車両適性など、実際に検査して向き不向きを診断するものもある。いくつか組み合わせてカウンセリングの材料にすることもあるから、それぞれの検査には意味があり、信頼性もあるのだと思う。
血液型や手相、星座などの占いなどからも性格を分類される。的を得ていることもあるし、そうではないにしても、これらはなかなか興味深く、面白い。

ただし、これらの数々の適性検査や占いに振り回されて｢自分は□□な性格｣と型にはめ、自分の可能性に限界を作ってしまうのは少々勿体ない。この先も様々な分野で伸びしろはあるのに、自ら限界を作ってしまうなんて勿体ないことだと思う。

例えば、これらの検査や占いなどを総合して、

｢自分は大人しい性格だ｣と性格と自分を一体化させたとする。様々な検査や占いで自分を｢大人しい｣と判断するだけでなく、近しい人からも｢あなたは大人しいよね、うん｣と太鼓判を押されると、｢自分は大人しい性格だ｣と納得して思い込んでしまう。
そして、何かをしようとする時、｢自分は大人しい性格だから、それなら出来る｣とか｢大人しい性格の自分が、人前で話すなんてできる訳がない｣などと決めつける。
｢大人しい性格の人｣のやることに向き不向きはあっても、それを理由に出来ないことなどないのに。

私たちの多くは、性格と自分を一体化している。自分の性格こそが自分と考え、意識のほとんどを性格に支配される。しかし、性格は私たちにとって便利な道具の１つに過ぎない。私たちの本質は性格を越えたところにあるにも関わらず、性格と自分を一体化し過ぎると、自分自身の本質に気付きにくくなる。

中には、その当てはめられた｢性格｣を上手く利用するズルイ・・・賢い人もいる。

｢自分は大人しい性格｣だから｢力仕事はできません｣とさりげなく避けてくる。
大人しいのと関係ないだろ…、と思いつつ、こんな風に潔く言われると、逆に出来ることをやってもらおうと思ってしまう。
考えてみると、この~~ズルイ~~・・賢い人は、自分の性格を｢便利な道具｣として使っている。自分がやりたくない事を避けるための口実として、大人しいという｢性格｣を｢便利な道具｣として使っているのだ。なんだかズルイが、ある意味賢いと言える。

自分は、人には向き不向きはあるけれど、その｢性格｣によって出来ないことなど１つもない、と思っている。自他とも認めるその｢性格｣を、自分の一部として認めるのは大切だけれど、その性格と自分を一体化し過ぎるのは自分の可能性を狭める事になってしまう。自分の本質は、性格を越えたところにあるのだから、性格も自分の一部と捉え、その｢性格｣を｢便利な道具｣として使うくらい豊かなココロがあれば、もっと自分らしく生きられるのではないかと思う。

「能ある鷹は爪を隠す」

そんな格好いい生き方も出来るような気がする。
豊かなココロで。

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