《正直になりたいけれど、バカ正直は駄目だ。なんでもかんでも相手に伝えるのは、自分が加害者になることがある。嘘の量の少ない人が軽やかで優しい人生を送れるのだけれど、バカ正直は時に人を傷つける。》
正直者は人を傷つける?
正直者はバカを見る?
そんなことはないはずだ。
正直な人、
嘘をつく人
というより、
正直になる時
嘘をつく時
と表現した方が健全と思う。
みんな正直になったり嘘をつきながら生きている。
簡単に「○○な人」という言葉で表現するほど、人は単純ではない。
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嘘をつかれ騙され、自分に被害がおよび、
嫌な思いをして初めて警戒心が生まれる。自分の本心や本性を明かすことなく、なんとなく人と付き合うようになっていった。
仕事上、期間限定で編成された組織において、一時的に同じメンバーと緊密にかかわり合う時期が何度かあった。そういう時は、お互い意見や感情がぶつかりあうこともあったし、自分の本性があらわになるようなこともあった。しかし、あくまでも一時的で期間限定、目的が達成されればそれぞれのメンバーは帰属し、あとに引きずることはない。
それ以外の通常時、自分が正直に自分の本性を表し、人と関係することはほぼないと思っている。
自分は基本、人に期待しない。
助けたり助けられたり相互扶助の考えは持っているが、基本的に自分と相手は対等の立場である、という考えだ。
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対等と言っても、立場や環境によってお互いの割合は違う。
たとえば
◆自分の上司には上司としての役割を求め、責任を持ってもらう。自分は上司の指示に沿って、やるべきことをやる。
◆指導者なら指導者としての役割を果たし、選手はプレイヤーとして自身の能力を発揮する。
これが「対等」だ。
部下が計画した内容を十分に理解せず、経過を確認することなく失敗した責任を部下に負わせたり、プレイヤーのトップに指導内容の不備を指摘するような事態が発生した場合、これは対等な立場でそれぞれの責任を果たしたとは言えない。指導する立場でありながら、自身の能力不足を他人のせいにし、責任転嫁しているだけだ。
残念ながら、こういう事象は時々起こりうる。
そして、他人に自分の不備を補ってもらおうとずる賢く期待してくる人たちに限って
「部下の手柄は自分の手柄」
「勝利は指導者である自分の能力の賜物」
と、成功の成果をかっさらっていく。
こんなしょうもない人達に、
いちいち正直に「すみません」と対応していたら、やっぱり「バカ正直はバカをみる」のだ。
とはいえ自分的には、バカ正直肯定派である。
対等な立場ではない状態で嫌な思いをするくらいなら、たまには自分のために「正直さ」を発揮したらいい。
失敗した成果の責任を負わされそうになったら、
「あなたから計画案の了承を得たあとに実行開始して、経過報告もしていましたが。」
と、正直に事実を報告する。
上司の上司である課長に報告する際、同席して事実を正直に報告したらいい。この時、必ず「修正案」を作成して持っていくこと。課長に報告する前に修正案を上司に確認してもらうかどうかは、あなたの判断に任せる。
自分の場合、
課長に失敗の成果を報告中、上司が課長に
「今後のプランを示せ」
と言われてモジモジしているところで自分の案を提示する。
「すでに上司が代替案を検討されていると思ったので、誰にも見せていませんが・・・。」
と申し訳なさそうにさらっと提示する。その内容が充実してなかったにしても、先を見通す姿勢は認めてくれる。部下に責任を負わせようとするような上司に、修正案を作る能力はない。
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感情抜きに、事実を報告し、まともな課長の要求に答える。
それだけでいい。
「直属の上司が見てくれないから」
「直属の上司がハンコ押したのに」
など、余計な事は言わない。そんなことは課長もわかっている。
事実を報告したあとの上司の処分は課長以上が考えることだ。
部下は物理的に上司を選べないが、
自分はできる上司とそうではない上司に対する仕事のやり方、対応を変えている。まともな上司には有効な情報を提供するが、そうではない上司に有効な情報をすべて提供することはない。聞かれたら答えるが、答えないこともある。
これが、それぞれの上司に対する自分の対応である。
これに加え、部下の手柄をかっさらっていくような上司には
「昇進おめでとうございます!同僚の成果を横取りした成果ですね~wwwなんつってwハハハwww」
と明るく笑いながらみんなの前で「ねー」と同意を求めつつ拍手する。
「急ぎの案件があったのですが、退社時間ギリギリに持ってくるなと言われたので、直接課長に概要説明したところ、やはり上司の了承もらってから一緒に来いと指導されました。
そういえば・・・課長がお呼びでしたよ。」
と、真面目な顔で、みんなの前で、正直に伝達する。
正直者がバカを見るようなことがあってはいけないと思う。
「お前はバカ正直だな」
と言われたら、誉め言葉と思って喜んだらいい。
自分のココロには卑屈な気持ちが潜んでいるから、自分の中の「バカ正直さ」を利用しようと考えるが、本当に正直な人は、人を傷つけるようなことはしないと思う。
「お前はバカ正直だな」
と言われたら、豊かなココロと純粋さを誉められたと受け取ってほしい。