身体が抵抗していませんか？新しいことに挑戦する前には、癒しが必要です。　～麗生🖤

《何かしたいと思っても、身体が抵抗することがある。胃が痛くなったり胸が締め付けられるような感じがしたり眉間が痛くなったり。その身体の状態を無視してその方向に突き進もうとしても、うまくいかない。》

３年ぶりに行動制限のないGWとなった。

　Withコロナが定着しつつある今とはいえ、僕は特にすることも遠出する予定もないので、近所を散歩したりスーパーへ行く程度のいつもと変わらない普通のGWとなった。

　実は少し前、車の整備中に怪我をして足の指を痛めた。靴が履けないくらい指が腫れたから絶対に骨折したと思っていたけれど、２週間もすると軽くジョギングするくらいまで回復していた。
　とはいえ、怪我して５日間ほどは、職場で怪我したことを悟られないよう、痛みに耐えていた。怪我したことを言っても誰かが代わりに歩いてくれるわけでもないし、｢大丈夫ですか？｣と言われたら｢大丈夫です｣と答えるしかないので、無意味な同情はいらないと、痛みに耐えつつ仕事をしていた。

新年度の4月は忙しい。

　そんな中、怪我をして脂汗をかきながら仕事をし、バタバタ忙しいまま連休を迎えた。
特にすることもないけれど、食事、理美容や温泉等で利用できる割引チケットを頂いたので、早速｢頭皮マッサージ｣｢足裏マッサージ｣｢◯◯整体院｣を予約して施術してもらうことにした。

　施術後、｢頭皮固くてガチガチでした｣とか｢足裏固いのでもっと時間かけたいくらいです｣などと言われ、本当なのか営業トークなのかわからなかったけれど、おかげさまで気持ちのよい時間を過ごすことができた。
　後日改めて、近所にある適当な整体院を予約したけれど、割引チケットがなければお邪魔することはないだろうと思うような古めかしいアパートの一室にその整体院はあった。

　チャイムを鳴らすと、しばらくして眼鏡をかけたくせ毛の男性がドアを開けた。先生がお一人で患者を診ているようだ。
　中へどうぞと案内され、スリッパを履いて室内に入ると床がきしむ音がする。日中にも関わらず室内は薄暗くて寒い。小さな電気ストーブが足元に置いてあった。内装も置物もかなり古めかしいのに、よく見ると、全体的にとても綺麗に整頓され、オルゴールの音が静かに聞こえる落ち着いた空間だった。
　背の高い清潔そうなその先生が、問診、治療方針や東洋医学についての説明しているとき、先生の声とワット数の少ない白熱球の暖かい光で、問診中に眠くなるくらい気持ちのいい空間に癒されていた。

施術で身体の状態を確認しながら

普段の生活習慣や運動習慣、癖なども聞かれた。身体の不調の大きな原因は睡眠不足によるものだと言う。朝食を食べたり食べなかったりするのも、前夜に摂る食事に影響されること、肩凝りの原因や、身体の特徴についても詳しく説明してくれた。

｢朝起きたとき、１番やる気に満ち溢れているのが正常な状態なんです。疲れた身体を就寝中に回復して、起きたときに食欲もあるのが普通なんですよ。｣

　ストレスチェック項目の中に｢朝起きたときが１番気分がいい｣というのがある。｢そんなわけあるかい｣といつもイイエにより近い所に「✔」をしていたのだけれど、これが正常な感覚なのかと驚いた。

｢今なにかしたいことはありますか？｣と聞かれて答えられず、しばらく考えてから｢強いて言うなら…休みたいですかねぇ…｣と答えると、先生は笑って｢そうですよね、割引チケットがあるからと言ってわざわざこういう所を選んで来られてるんですから。相当がんばってらっしゃるのでしょう。｣となんとも暖かい言葉で労ってくれた。
　確かに、ここに来る前は「頭皮マッサージ」と「足裏マッサージ」を選択している。

　足指を怪我して脂汗をかきながら仕事をしていた数週間前のことを思い出し、どうでもいいような所で意地になる自分の習性に苦笑いした。