【褒められた時には「ありがとう」という。人間歳を重ねると、人の上に立つことも出てくる。どうしても目立つ。そんな時、人の上に立つ人間は「短いスカートを履いている」と思うこと。
上からはあまり見えないけれど、下からは丸見えだということ。ちょっと人気が出たから、ちょっと有名になったからと図に乗ってはすぐにハシゴを外される。常に謙虚、人が生きていく上で忘れてはならないことだ。】
狭いところを通りたい時、ついつい「すみません」と言ってしまう。
前を歩く人がドアを開けてほんの数秒、ぼくがドアを通過しそうになるまでドアを押さえて待ってくれた人に対しても、「あ、すみません」と言ってしまう。
わたくしめのために、そんな気を使わせてしまい申し訳ありません、という奥ゆかしい感謝のココロを表現する「すみません」なのだが、ぼくは最近、これを「ありがとう」に置き換えるようにした。
悪いことも何もしていないのに、ついつい「すみません」という言葉を使ってしまうのはなんだかおかしい、その人の好意、気遣いに対して感謝を伝えるのだから、やはりここは「すみません」より「ありがとう」だろうという単純な理由だ。
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今から24年前の 1997年11月、T銀行が破綻した。
都市銀行の経営破綻は国内初、当時、日本金融市場最大の破綻だった。まさかこんな大手がつぶれるなんて、世間はまさかまさかと大騒ぎした。
「頭取は最後までふんぞり返っていたからな」
「いやいや、窓口対応も最悪だったぞ」
と、頭取から役員、窓口の一行員に至るまで、悪い評判しか聞かなくなった。その反対に、営業譲渡を受けたH銀行には
「頭取の無茶をしない堅実な経営方針が功を奏した」
「客を大事にする姿勢がなっている」
などともてはやされ、破綻の理由に人々の感情がつき始めた。バブル期の過剰な貸し付けが不良債権化したのだから、どちらかというと、倒産した方の銀行が客に対していい顔をしていたような印象も受けるが、人の噂に尾ひれがつくとそうもいかない。人気があり有名で、莫大な資本を持つ銀行だから、と少しでも鼻にかけたように見えると、失敗したときにハシゴを外されるわけだ。
これらの評判がすべて事実かどうかもわからないし、
トップクラスの都市銀行だと鼻にかけたつもりもないかもしれない。しかし世間の人々は、金融市場がパニックに陥ったことにより、目の前の生活基盤が脅かされるのではという漠然とした不安に苛まれ、その不安の矛先は倒産した銀行に向かい、それらの情報に振り回されていたように思う。
ぼくはただ傍観するだけで好きな事を言える立場にいたけれど、貸す方と借りる方、強い立場と弱い立場、何がきっかけでその立場が切り替わるかわからない。その切り替わりに人の感情が入り交じると、真実かどうかもよくわからずに、悪い話はどんどん広まっていくものだと今でも思う。
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人の感情は、他人がどうにかできるものではないけれど、親切や好意を感じたら「ありがとう」と言ってみる。
「ありがとう」を言われることなんて何もしてないよ、と笑われても、あなたが嬉しいと思えば「ありがとう」と言えばいい。わたくしめのためにそんな気を使わせてしまい申し訳ありません、という奥ゆかしい感謝のココロを表現する「すみません」でもいいけれど、「ありがとう」の方がやっぱりなんだかすっきりする。
ちょっと人気が出たから、ちょっと有名になったからと周りの人たちに褒められて、図に乗ってしまいそうなとき、「短いスカートを履いている」と思ってみる。下からは丸見えだ。さすがに恥ずかしい。常に謙虚、人が生きていく上で忘れてはならない。
「ありがとう」の一言で、相手にあなたの感謝が伝わり、相手が少しでもほんわかした気持ちになれたなら、互いに豊かなココロを感じることができるだろう。
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