《信頼されている人の特徴①》
1 言ったはずではなく「ごめん、言い忘れてた」と言いきる。
2 人より先に挨拶する。
3 人の話を途中で遮らず、最後まで聞く。
4 人のことをこっそり褒める。
5 人をしかる時は別室で、褒める時は大勢の前で。
信頼されている「上司」の特徴、という「上司」の部分を「人」に変えて考えてみる。
人として信頼できる人が上司だろうが部下だろうが、老いも若いも女性も男性も関係ないだろう。「信頼されている人」がどういう人なのか、考えてみる。
1 言ったはずではなく「ごめん、言い忘れてた」と言いきる。
前にもメールしたけどね、前回も同じこと言ったけど、などと前置きされると、卑屈な自分は「すいませんねメール理解できなくて覚えてなくて」と悶々とする。メールの文面がわかりずらかったり、前回聞いた事から変更がないか確認のために聞いているのに、「説明するの2回目ですが」みたいなことを言われるとカチンとくる。
何度聞いても仏様のように親切に教えてくれる方もいるし、タイトルのように「ごめん、言い忘れてた」とか「わかりずらくてすみません」なんて言う方もいる。そういう方と接すると、「相手の気持ちになって人を大切にできる人だな」と感じて信頼感が湧く。そういう人との仕事を大切にしよう、と思う。
年配者と話す時は自分の親や祖父母と話すような気持ちで。
若い人と話す時は、自分の子や甥姪と話すようなつもりで話をしてみる。別に親族でなくとも、なんとなく大切に想う人と話をしていると思えば、そんなに冷たくあしらう気になれないものだ。
自分の中の「Best Of イライラ人物」に対しては、以前共に過ごした飼い犬だと思って話すようにしている。ある程度人の言葉や雰囲気を察することのできる犬と同じ。そう考えると、多少のことでカチンときたり、イライラすることはない。
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2 人より先に挨拶する。
マスクをしていないと他人から注意をうけ、それに激昂した人が暴力をふるうなどの傷害事件が勃発した。マスクをしていない事が発端となって事件が報道されてしまうほど、マスク着用が必須の世の中になった。
マスクをしているから他人の表情がわかりずらい。口元で笑っていても目が普通だとなんの反応も感じられないし、相手のココロが読みにくい。以前、自動二輪で走行中、警察に呼び止められて話かけられたことがあった。ヘルメットを被ったままだったので、声がよく聞こえずシールドを上げて聞き返した時、「なんだその態度は。」と言われたことがある。フルフェイスのヘルメットだったので、シールドを上げても鼻の中央から眉の下くらいまでしか見えない。ちょうどマスクをしているのと同じ状況だ。ただ聞き返しただけで「なんだその態度は。」と言われた嫌な記憶がよみがえる。まぁ、警察に捕まったなら、話しかけられたならヘルメット取りなさいよ、とも言えるが。
やはりこんな事態を防ぐには挨拶がいい。
「こんにちは。」
と、人より先に挨拶する。
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3 人の話を途中で遮らず、最後まで聞く。
特に、言われて嫌なこと、自分にとって都合の悪いことを言われると、その話を遮りたくなる。実際そうしてしまう。そんなのわかってる、わかってるからもう黙ってくれよ、と人の話を遮ってしまう。だから、黙って叱られたり、黙って指導されている子供たちは本当に素晴らしいと思う。反撃するほどの経験がないから、叱られる内容に納得せざるを得ない部分もあるだろうが、人の話を遮らず、最後まで聞くという姿勢は、純粋で素直な子供を見習うのが一番良い。子供を育てたり、教育する立場にある人たちは特に、子供の成長に携わる大切な役割を担っているとココロの真ん中で自負してほしい。もし、酸いも甘いも知った大人が純粋に人の話を最後まで聞けるとしたら、それはやはり信頼に値し、一目置かれるような人物に違いない。
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4 人のことをこっそり褒める。
そこにいない人を話題にして褒めると、その場の雰囲気がふんわり穏やかになる。事務的な人事の判断や評価などと違って、本当にその人のことをよく思っているんだろうと感じる。
誤解が重なり人間関係がスムーズにいかなくなった時、互いのことをこっそり褒めることによって、その人間関係をもとに戻した人がいた。
AとBが誤解によってうまくいかない時、CがAに「Bがあなたの明るい所が好きだと言っているよ」と伝える。CはBにも「Aはあなたの慎重さを見習いたいと言っているよ」と伝える。関係性がギクシャクした理由がどうあれ、Cの機転によって2人が歩み寄るきっかけにはなった。
人に嫌な思いをさせることなく、人間関係を良くしていけるCのような人は、人のことをよく褒めるものだ。
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5 人をしかる時は別室で、褒める時は大勢の前で。
月に一度、担当者の定例会議があった。各支店も合わせて20名弱。問題点に対する本部からの厳しい指導やご指摘もあったが、各支店同士の情報交換もあり、どんなに長くても所要時間は40分程度、ダラダラ時間を使い、結果何も解決しないような会議とは違って内容が濃く、参加率は高かった。
その会議を担当するのは3名。1番若い課長とそれぞれの担当が2名。担当2名のうち、1名が取り仕切っている形だ。取り仕切るその方は、10歳も若い課長をよくたてていた。「課長、そろそろ初めてよろしいでしょうか」「課長、一言お願いします」「何かあれば課長指導もらうので、必ず連絡を」などと、年齢や経験に関係なく、与えられた役職と立場で仕事をするその人をカッコいいな、と思っていた。
その若い課長から、その3人の関係性について話を聞いたことがある。「うちの課はDさんがいるのでうまくまわっている」と言う。定例会議で取り仕切るDさんのことだ。聞けばその課長、転勤してきた当初一度だけ、Dさんから仕事の向き合い方についてきつく指導された?怒られた?ことがあるらしい。周囲には誰もいず、事務室でDさんと2人になった時、「はじめてやる仕事なんだからわからないのは当然だ。わからない分学べ。自分の立場を自覚して、役職に見合う実力をつけろ。」と相当がっちり言われたそうだ。声を荒げることなく静かで淡々とした物言いが逆に怖かったと苦笑いする。
「だけどDさんは、僕を人前でばっさり切り落とすことはしない。会議の時だって「課長、課長」って立ててくれるでしょう?いつもフォローしてくれるし、課長の立場を尊重してくれる。仕事にストイックで人間できてるんですよね、そういう人だから、他の課からも信頼されてるんですよ。」
いつもスマートに仕事をしてるのかと思ったらこの課長、けっこう苦労もしているし、努力家だった。Dさんに一喝された内容が、今では自分の信念のようになっているらしい。自分は仕事仲間に恵まれて幸せだ、というこの若い課長もきっと、信頼される人になれるだろう。
残り5つ。後半に続きます。
豊かなココロで。
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